健康のためにストレッチを始めようと考えていて「ストレッチは本当に効果があるの?」「どんな効果が期待できる?」「ストレッチをするタイミングは?」などと、疑問を持っている方は多いようです。
適切な方法やタイミングでストレッチを行えば、疲労回復やリラクゼーション、ケガ予防など、様々な効果を得ることができます。
また、寝る前や運動前後に行うと、睡眠の質や運動後の疲労度が変わってくるのです。
ここでは、ストレッチで得られる効果や種類、ストレッチの注意点について解説します。
ストレッチにはどんな効果がある?
ストレッチには、疲労回復やリラクゼーション、ケガの予防など、様々な効果があります。
また、ストレス軽減や睡眠の質向上、太りにくい身体づくりにも役立つなどの効果も期待できるのです。
ここでは、ストレッチで得られる効果について詳しく見ていきましょう。
ストレッチとは
ストレッチとは、意図的に筋や関節を伸ばすことを言います。
「ストレッチ」という言葉には「伸ばす」という意味があり、1970年代にアメリカのボブ・アンダーソンによって開発された運動です。
筋肉の柔軟性を高めて関節可動域を広げるため、運動前後に行われることが多いです。
運動前後にストレッチをして筋肉の緊張状態をほぐすことにより、ケガの予防効果やパフォーマンス向上が期待できます。
また、ストレッチをすることでアルファ波が増加し、心拍数が低下するなどリラクゼーション効果もあるため、寝る前に取り組む人も少なくありません。
スポーツをする人だけでなく、多くの人が生活の一部としてストレッチを行っています。
ストレッチを行うことで得られる効果
「ストレッチをするとどんな効果があるの?」と気になる方も多いでしょう。
ストレッチを行うことで、次のような効果を得ることができます。
●疲労回復
ストレッチをすると身体の血流がよくなり、疲労回復の効果が期待できます。
筋肉が柔らかくなり、血液循環がよくなることで、身体の隅々まで酸素や栄養が行き届きやすくなるのです。
また、高血圧や肩こり、腰痛などの予防・改善にも効果があります。
●リラクゼーション
ストレッチを行うと、アルファ波の増加や心拍数の低下で副交感神経が優位になるため、ストレス軽減につながります。
寝る前に適度なストレッチをすることで、身体がリラックス状態になり睡眠の質も改善するのです。
●ダイエット
ストレッチにより関節可動域が広がれば、動作が大きくなって基礎代謝アップにつながり、脂肪を燃焼しやすくなります。
また、血流がよくなることでむくみや冷えの改善に期待ができますし、ストレス軽減や睡眠の質向上にもなるため、太りにくい身体づくり、つまりダイエットにも役立つのです。
●ケガ予防
ストレッチをすることで筋肉が柔らかく関節可動域が広がり、身体の柔軟性が高くなります。
運動する際に、筋肉が硬く身体の柔軟性が低い状態だと転倒などでケガをする可能性が高くなるのですが、ストレッチをして身体をスムーズに動かせるようにしておけばケガの予防につながるのです。
●パフォーマンスの向上
ストレッチによって関節可動域が広がるうえ血流もよくなるため、身体のパフォーマンス向上にもつながるという効果が得られます。
ストレッチの種類
ストレッチは、目的や方法に応じてスタティックストレッチやダイナミックストレッチ、パートナーストレッチなど種類が分かれます。
ストレッチの種類と特徴を把握することで、状況に応じて最適なストレッチができるため、高い効果が期待できるのです。
ここでは、4種類のストレッチの特徴について見ていきましょう。
スタティックストレッチ(静的)
スタティックストレッチとは、反動を使わずゆっくりと筋肉を伸ばすストレッチです。
30~45秒程度、筋肉を伸ばした状態で保持します。
筋肉への負担が少なく、一般的に行われているストレッチです。
深呼吸をしながらスタティックストレッチをすることにより副交感神経が刺激され、リラクゼーション効果が得られます。
スタティックストレッチは、運動後のクールダウンや柔軟性の向上、心身のリラックスを目的としたストレッチに向いています。
身体が温まっている入浴後に行うのがおすすめです。
反対に、食後すぐなど胃腸に血が集まっているときは避けた方がいいでしょう。
また、ケガをした部位については、無理にストレッチするのは禁物です。
ダイナミックストレッチ(動的)
ダイナミックストレッチとは、身体を大きく動かして行うストレッチのことです。
反動をつけることで筋肉を柔らかくし、心拍数が上がるので血流がよくなります。
また、体温が上がり、関節可動域も広くなるのです。
寝る前などのストレッチに向いているスタティックストレッチと異なり、ダイナミックストレッチは運動前の準備体操に向いています。
運動前にダイナミックストレッチをすることで、ケガの予防やパフォーマンスの向上、集中力の持続が可能です。
ダイナミックストレッチには、次のようなメニューがあります。
・リバースランジレント
・ツイストストレッチ
・ディープスクワットトレーニング
・ダウンドッグ
・胸のストレッチ
・内転筋のストレッチ
・背中のストレッチ など
運動前にはダイナミックストレッチを行うようにしましょう。
バリスティックストレッチ
バリスティックストレッチは、脱力状態で反動の力を利用して身体を伸ばすストレッチのことです。
ラジオ体操のように、小さな動きから始め大きな動きへとシフトしていきます。
筋を伸ばした状態から反動を利用してストレッチするため、ある程度身体を動かした後がストレッチを行うタイミングとして適しているとされているのです。
無理に身体を伸ばしても乳酸は取れないため、運動後のクールダウンや睡眠前のストレッチには向いていません。
また、反動をつけすぎると筋や腱の損傷につながるため注意が必要です。
ケガをしている場合は避けるようにしましょう。
スタティックストレッチやダイナミックストレッチを行い、筋肉を温めて柔らかくしてからバリスティックストレッチをするようにするのがおすすめです。
パートナーストレッチ
パートナーストレッチとは、2人でペアになって行うストレッチのことです。
2人で行うため、自分1人で伸ばせない筋肉をしっかりと伸ばすことができます。
1人でのストレッチだと、いろんな体勢で身体を伸ばそうとするため、完全に筋肉をリラックスさせるのは簡単ではありません。
パートナーストレッチならパートナーに身体をゆだねられるため、リラックスしてストレッチができます。
伸ばしにくい筋肉へアプローチすることが可能です。
首や肩、肩甲骨、胸、腰、ももの裏など、様々な部分をストレッチできます。
ただし、パートナーが力を入れすぎるとケガする可能性もあるため、反動をつけすぎたり無理に伸ばしたりしないようにしましょう。
ストレッチの注意点
ストレッチをする際は、タイミングや強度、呼吸に注意しましょう。
正しく行わないと、ストレッチの効果を得られないどころかケガをするリスクもあります。
適切なタイミングや強度、呼吸を知っていれば、リラクゼーションや疲労回復、パフォーマンス向上など高い効果を得ることが可能です。
ここでは、ストレッチをする際に気をつけたい「タイミング」「強度」「呼吸」の3つの注意点について見ていきましょう。
タイミング
ストレッチのタイミングには注意しましょう。
ストレッチが効果的なのは、入浴後など体温が上がっている状態です。
筋肉が温まり伸びやすいタイミングでスタティックストレッチをすれば、高いリラクゼーション効果が期待できます。
また、運動前や運動後もストレッチの適したタイミングです。
運動前にダイナミックストレッチを行うことで筋肉が柔らかくなり、また関節可動域が広くなるので、ケガの予防やパフォーマンス向上が期待できます。
運動後は、クールダウンのためにスタティックストレッチを行いましょう。
血流がよくなるので、筋肉の緊張をほぐし、疲労回復に役立ちます。
運動後はゆっくりと丁寧にストレッチをするのがおすすめです。
ただし、消化不良を起こす可能性があるため、食後にストレッチはしないようにしてください。
強度
ストレッチをする際は、急に伸ばさないことが大切です。
急に伸ばしてしまうと、筋が硬くなってしまいます。
ケガの原因になりますし、ストレッチの効果が得られません。
ストレッチはゆっくりと丁寧に行いましょう。
基本的には1回あたり20~30秒時間をかけるのが目安です。
時間が短すぎると筋肉が十分に伸びず、時間が長すぎても20秒~30秒行うのとあまり効果が変わらないと言われています。
ケガを防ぎ、ストレッチの効果を高めるためにも、無理のない強さで行うようにしてください。
「痛い」と感じるまでストレッチをするのではなく、あくまでも「気持ちいい」と感じる範囲でストレッチを行うことが大切です。
呼吸
ストレッチをする際は、呼吸を止めないようにしましょう。
呼吸を止めてしまうと身体が緊張状態になり、筋が硬くなってしまうからです。
また、血圧が上がるなど身体に負担がかかる可能性があります。
ストレッチ中は自然な呼吸、または深呼吸を心がけましょう。
自然な呼吸をしていれば、緊張が緩和されるため、ストレッチの効果が高まります。
自然な呼吸や深呼吸をしながら、ゆっくりと丁寧にストレッチをするようにしてください。
そうすれば疲労回復やパフォーマンス向上、リラクゼーション効果などを得やすくなります。
まとめ
ここでは、ストレッチで得られる効果や種類、ストレッチの注意点について解説しました。
最後に、ご紹介した大事なポイント3点をまとめます。
・ストレッチには疲労回復やリラクゼーション、パフォーマンス向上などの効果がある
・ストレッチには複数の種類があり、内容や適したタイミングが異なる
・寝る前や運動前後に無理せず自然な呼吸をしながらストレッチすることが大切
ストレッチには様々な効果があります。
運動前後はもちろんのこと、寝る前にストレッチをしてリラックスした状態をつくって毎日の睡眠の質を向上させ、心身の健康を手に入れましょう。