ここ数年、ダイエットのためにキックボクシングを行う女性が急増しています。
数あるダイエット、運動方法のなかで、なぜこれほどキックボクシングに注目と人気が集まっているのでしょうか?
そこで今回は、キックボクシングの特徴や、ダイエットとしてキックボクシングを行うメリット、その効果、消費カロリーなどを説明すると共に、キックボクシングを続けていくうえでのポイントや適切な食事の摂り方についてご紹介していきます。
目次
キックボクシングってどんなスポーツ?
キックボクシングは、通常のボクシングのようにパンチだけで行うものではなく、足技も取り入れて行う格闘技のひとつです。
グローブを着けてのパンチ、エルボー(肘打ち)、素足でのミドルキック、ローキック、ハイキックなど、体全体を動かして行うのが特徴です。
当然ながら、通常のボクシングよりも運動量が多くなるため、それだけカロリー消費量も多くなります。
そのため、近年はダイエットを目指す女性がキックボクシングに励むケースも多くなりました。
また、足技を多く使うことで、下半身の引き締めや、腰回りの余分な筋肉を落とす効果も期待でき、ダイエットのみならず、美しいボディーラインを作りたいという女性にも人気を集めています。
キックボクシングの消費カロリーは?他のスポーツと比較
キックボクシングの人気の秘密は、その消費カロリーの高さにあります。
運動を行うことによる消費カロリーの計算は「体重×運動量×時間」で出すことができます。
今回は、体重50kgの20代の女性が1時間の運動を行うと仮定して、それぞれのスポーツでのカロリー消費量を見ていきます。
・キックボクシング 500kcal/1時間
キックボクシングの運動量は約10kcalなので、これを先ほどの計算に当てはめると「50×10×1」となり、1時間におけるカロリー消費量は「500kcal/1時間」になります。
同様の計算で、他のスポーツのカロリー消費量も見ていきましょう。
・ウォーキング 150kcal/1時間
・ジョギング 300kcal/1時間
・水泳(ゆっくりストローク) 250kcal/1時間
・自転車(エアロバイク) 100kcal/1時間
・ヨガ 75kcal/1時間
・ストレッチング 75kcal/1時間
・ウェイトトレーニング100kcal/1時間
・エアロビクス 270kcal/1時間
ご覧のように、キックボクシングのカロリー消費がずば抜けて高いことがわかります。
キックボクシング 体重と時間別のカロリー消費量
運動を行った際、何もしていない状態(安静状態)に比べて、何倍のカロリー消費量になるかを示した数値を「METs(メッツ)」と呼びます。
キックボクシングのMETsは10kcalとされているので、先ほどの計算式を立てはめて各体重および運動時間におけるカロリー消費量をみていきましょう。
10分 | 20分 | 30分 | 40分 | 50分 | 60分 | |
---|---|---|---|---|---|---|
40kg | 64kcal | 132kcal | 200kcal | 264kcal | 332kcal | 400kcal |
45kg | 72kcal | 148kcal | 225kcal | 300kcal | 373kcal | 450kcal |
50kg | 80kcal | 165kcal | 250kcal | 330kcal | 415kcal | 500kcal |
55kg | 88kcal | 181kcal | 275kcal | 363kcal | 456kcal | 550kcal |
60kg | 96kcal | 197kcal | 300kcal | 396kcal | 497kcal | 600kcal |
65kg | 114kcal | 213kcal | 325kcal | 429kcal | 538kcal | 650kcal |
70kg | 122kcal | 229kcal | 350kcal | 462kcal | 579kcal | 700kcal |
75kg | 130kcal | 245kcal | 375kcal | 495kcal | 622kcal | 750kcal |
80kg | 138kcal | 261kcal | 400kcal | 528kcal | 663kcal | 800kcal |
85kg | 146kcal | 277kcal | 425kcal | 561kcal | 704kcal | 850kcal |
90kg | 158kcal | 293kcal | 450kcal | 594kcal | 745kcal | 900kcal |
95kg | 166kcal | 309kcal | 475kcal | 627kcal | 786kcal | 950kcal |
100kg | 174kcal | 325kcal | 500kcal | 660kcal | 827kcal | 1000kcal |
上記の表のように、時間が延びれば延びるほど消費カロリーは増えます。
また、体重の重い人ほど消費カロリーは増え、人によって消費カロリーは1,000kcalを超えることもあります。
キックボクシングの各メニューにおける消費カロリー
キックボクシングにもさまざまなメニューがあり、そのメニューごとに消費カロリーも変わってきます。
今回は、50kgの体重の人がそれぞれのメニューをこなした際の消費カロリーについてご紹介していきます。
●縄跳び
<内容>
縄跳びは、ジャンプする、腕を回す、足の筋肉を使うなど、全身を使う運動なので、ダイエットだけでなく、筋力アップにも効果があります。
上半身、下半身、腹筋、背筋、さらにインナーマッスルも鍛えられます。
また、縄跳びはゆっくり飛ぶ場合と、早く飛ぶ場合とで消費カロリーが異なります。
<目安時間>
30分
<消費カロリー>
200kcal(60~70回/分)
350kcal(120~160回/分)
●シャドーボクシング
<内容>
シャドーボクシングはボクシングの練習方法のひとつで、対戦相手が目の前にいることを想定してパンチをしたり、体を動かして相手の攻撃を避けたりする練習を行います。
相手がいなくても可能な運動なので、場所を問わず一人で気軽に行うことができます。
ボクシングは1ラウンド3分間で行うので、シャドーボクシングもこれに合わせて1回3分間で行うのが基本です。
<目安時間>
3分
<消費カロリー>
20kcal(3分)
40kcal(6分)
●サンドバッグ打ち
<内容>
サンドバッグ打ちは、サンドバッグを相手にパンチやキックを行う練習方法です。
通常のボクシングにおけるサンドバッグ打ちは、拳と腕のみを使いますが、キックボクシングではキックも行うため、上半身のみならず下半身の脂肪燃焼と筋力アップに効果があります。
<目安時間>
30分
<消費カロリー>
140kcal
●ミット打ち・対人練習
<内容>
ミット打ち・対人練習は、実際に相手を用意して、ミットや相手に向かってパンチやキックを繰り出す練習です。
サンドバッグ打ちとは違い、狙ったミットを確実に打つ・蹴る、また目の前で自在に動く人間を相手にしなければならないため、それだけ機敏さや集中力、精度の高さが求められます。
その分、サンドバッグ打ちに比べて消費カロリーも高くなります。
<目安時間>
30分
<消費カロリー>
210kcal
キックボクシング 体重と時間別のカロリー消費量
●全身運動でバランスの取れた美しいホディーラインに
通常のボクシングは上半身だけの運動に偏るので、体作りや美しいボディーラインを作るという点では不安な部分もあります。
しかし、キックボクシングであれば、パンチとキックで上半身および下半身の両方をバランスよく鍛えることができます。
そのため、より多くのカロリーを消費するというだけでなく、バランスの取れたボディーライン作りを目指すことができます。
キックの動作を頻繁に行うことで、いつも以上に腰回りや腹回りの筋肉を使うことになるので、下半身の引き締め、特にウエストラインの改善が期待できます。
上半身と下半身の全身運動によって、メリハリのある美しいボディーを作り出せるのがキックボクシングの魅力です。
●痩せやすく、太りにくい体質になる
キックボクシングは、脂肪燃焼効果だけでなく、筋トレ効果もあります。
筋力が上がるということは、体を占める筋肉の割合が増え、同時に基礎代謝の働きも向上するということを意味します。
つまり、以前よりも痩せやすく、太りにくい体質に改善されるということです
●有酸素運動と無酸素運動の両方を実践できる
キックボクシングは、有酸素運動と無酸素運動の両方をバランスよく取れるという点もメリットです。
キックボクシングにおいては、パンチやキックが無酸素運動、フットワークやフォーム(構え)の動きが有酸素運動になります。
パンチやキックなどの瞬発系の無酸素運動で筋肉を鍛えつつ、軽いジョギングと同じようにフットワークの動きで無酸素運動を行い、エネルギー(カロリー)を消費していきます。
筋力アップと脂肪燃焼の両方を効果的に行えるのがキックボクシングの良さです。
●精神面でのストレス発散にもなる
運動そのものにはストレト発散効果があります。
特にキックボクシングの場合、サンドバッグやミットなど、対象物を「打つ」「殴る」「蹴る」という行為によって、アドレナリンが大量に放出され、心地よさと爽快感を得ることができます。
サンドバッグやミットに「スパーン」とパンチやキックが命中したときの気持ちよさは、キックボクシングならではでしょう。
キックボクシングなら食事制限なしで痩せられる!
キックボクシングは、有酸素運動と無酸素運動をバランスよく行えるので、脂肪燃焼と筋力アップの両方に効果があります。
他のダイエット方法に比べてカロリー消費も多いため、無理な食事制限を行う必要もありません。
むしろ、タンパク質を中心にしっかりと筋肉をつけるための食事を行うことが重要です。
キックボクシングにおける適切な食事方法は、エネルギー消費に必要な糖質(炭水化物)と、筋力に必要なタンパク質をバランスよく摂取することです。
どちらかに偏るのではなく、それぞれ必要量をしっかり摂ることが大切です。
タンパク質の多い食品としては、鶏肉、魚、卵、豆類などが挙げられます。
糖質は米、パン、パスタなどがよいでしょう。
その他、野菜類、海藻類などビタミンの豊富なメニューを取り入れるのもおすすめです。
筋肉をキープするにはタンパク質の摂取は必須ですが、トレーニング後に手軽にタンパク質を摂りたい、あまり食欲がわかないという場合もあると思います。
そういうときは、プロテイン、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品でタンパク質を補給するのもよいです。
お腹がすいているからといって、トレーニング後にむやみに炭水化物をガツガツ摂取するのは控えましょう。
キックボクシングを長く続けるためのポイント
●自分のペースで無理なく続ける
ダイエットは、長い目で見て無理なく行うことが大切です。
早く痩せたいからといって無理をすると、体の疲労だけでなく、精神面でも負担が大きくなります。
キックボクシングにおいても、一歩一歩ゆっくりと長い目で続けていきましょう。
●数値目標を明確にする
キックボクシングを始める際、「どれくらいまで痩せるか」という数値目標を決めておきましょう。
「何キロ痩せるまで続ける」という明確な目標があれば、その目的に向かってモチベーションを高めることができます。
●生活習慣を規則正しくする
キックボクシングを続けても、生活習慣が不規則だとダイエット効果が半減してしまいます。
食事の摂り方を正しくする、間食はしない、夜更かしはしない、十分な睡眠を取る、など規則正しい生活を心がけましょう。
●自分に合ったジムやトレーナーを見つける
ジムによってトレーニングプログラムやトレーナーの指示の仕方は異なります。
同じキックボクシングでも、自分に合うジム、自分に合うトレーナーがいるはずです。
事前にそのジムの評価や口コミなどをチェックしたり、無料体験会などに参加したりしてから判断しましょう。
キックボクシングは消費カロリーが高いから痩せるは本当?のまとめ
キックボクシングの最大のメリットは、やはり「消費カロリーが高い」ということです。
ダイエットのためのスポーツや運動方法はさまざまありますが、その中でもキックボクシングは脂肪燃焼効果が高く、また筋力アップという点でも非常に優秀です。
脂肪を落とすだけでなく、上半身と下半身を同時にスリムアップして、美しいボディーラインを作っていけるのもキックボクシングならではといっていいでしょう。
過度な食事制限は必要ありませんし、パンチやキックをすることによるアドレナリンの分泌で、精神的なストレス発散、リフレッシュ効果も期待できます。
若い女性を中心に人気が急上昇しているキックボクシング、ぜひ始めてみてはいかかでしょうか?