キックボクシングを練習しているときに構え方がしっくりこないと感じたり、技を繰り出しているうちに体が痛くなったりするようなことはないでしょうか。
このような場合、ボクシングスタイルが間違っているかもしれません。
そこで今回は、技なども合わせてボクシングスタイルについて解説します。
目次
ファイトスタイルの種類
パンチャー
日本でももっとも多いスタイルで、パンチを得意とするファイトスタイルです。
パンチを繰り出す際には腕だけではなく、お腹や腰のひねりも重要となるため、パンチャーの練習は上半身のシェイプアップにつながります。
キッカー
キックを中心とするスタイルで、狙う高さによっても細かく分けられます。
足など低い部分はローキッカー、上半身を狙うのはミドルキッカー、もっとも高い位置である顔を狙うのがハイキッカーです。
通常のボクシングと異なり、キックがあるのがキックボクシングの特徴で、つま先から太ももなど下半身も含めて鍛えられます。
テクニシャン
繰り出す攻撃ではなく、全体の戦い方を表す言葉です。
フェイントなどで相手の攻撃を狂わせるなど、動きのテクニック性が高く自分のリズムで相手を翻弄するタイプの戦い方のひとつとなっています。
自分のリズムを保つためには、全身の筋肉をしっかり鍛えなければいけません。
キックボクシングの構えの種類
蹴り重視のスタイル(ムエタイのスタイル)
蹴りを重視しているスタイルは、ムエタイに近いスタイルで重心を後ろに置きます。
大きく足を上げるキックを出してもバランスを崩さないためには重心が重要です。
蹴り重視のスタイルを目指すことで、特に体幹が強くなります。
パンチ重視のスタイル(パンチスタイル)
一般的なボクシングに近い構え方で、パンチに力を乗せやすいため、前に重心を置くスタイルとなります。
日本でも多い構え方なので、ジムなどで教わる機会も多いでしょう。
前6対後ろ4位の割合で重心を分ける方が多いです。
キックボクシングの構えは奥が深い!
キックボクシングの構えは人によって異なります。
同じパンチ重視のスタイルでもガードを重視するのか、相手を翻弄するかなど戦い方に合わせて細かく違うのがキックボクシングです。
自分なりの基本的なスタイルを決めておき、攻撃やガードをしたあと、すぐに戻れるようにしておくのが重要と言えるでしょう。
ガードの高さと低さ
ガードの高さによっても構え方が異なります。
高めのガードをすぐできるようにしていると顔への攻撃を防ぎやすい反面、自分からの攻撃も出しづらいです。
反対にガードが低めの構えだと自分のパンチが打ちやすいですが、相手の攻撃を食らってしまう可能性もあります。
パンチを多く繰り出せるとストレス解消にもつながりますが、しっかりガードをできるようにしておかないとケガをする可能性も高くなるのです。
試合に勝つことも大切ですが、ダイエット目的の場合には自分の体を守ることも考えましょう。
前足重心と後ろ足重心
基本的に重心を前後どちらにかけておくかによって戦い方は異なります。
重心を前に多くかけているとパンチを出しやすいので、自分からどんどん攻めていく方におすすめです。
重心を後ろにかけている方は、パンチよりもキックが出しやすくなります。
戦い方としての基本はディフェンスをしつつ、反撃をする戦い方が向いているスタイルです。
キックの高さを蹴り分けるにはしっかりとした体幹が必要なため、キックを中心に練習する方は体のシェイプアップ効果も高くなります。
足の幅の広さと狭さ
重心の前後だけではなく、足幅の広さでも攻撃スタイルは変わってきます。
基本スタイルが自分の肩より足幅を広くとっていると蹴りを出しづらくなるため、パンチが中心のファイトスタイルとなるのです。
反対に蹴り技を中心に攻撃するのであれば、足幅が広いとバランスを保つのが難しいため、狭く保つ必要があります。
体幹をしっかり整えてシェイプアップ効果を高めたいのであれば、足技を多く出せる、足幅を狭く構えるようなスタイルが向いているということです。
【実践】キックボクシングの基本の構え方
これまでご紹介してきた構え方は、ある程度自分のボクシングスタイルを身につけてきた方がアレンジする場合です。
キックボクシングを始めたばかりの方は、まずは基本的な構え方を覚えるようにしましょう。
特に体幹が鍛えられていない時期に誤ったフォームで練習すると、ケガの発生につながります。
キックボクシングでは下半身だけではなく全身を使うスポーツのため、上と下で体がしっかりと動きがつながらなければいけません。
上半身と下半身がバラバラにならないように、少しだけ前に体を傾けて腹筋に力を入れます。
足幅はボクシングスタイルをアレンジするまでは肩幅と同じぐらいが基本です。
利き足を少し前に出し、角度は45度ぐらいになるようにします。
また、足先は相手の正面に向けておくことで足を狙ったキックを防ぎやすくすることが可能です。
自分からもキックができるように、膝を少し柔らかく曲げておきましょう。
続いて上半身ですが、脇をしっかりと締めておき、拳は自分のこめかみと同じ位置にします。
肘は横ではなく、自分の前に来るように置いてください。
片方の手は攻撃をするように少し出しておき、反対側の手はガードをするために少し下げて自分の顔に近づけましょう。
まずは基本姿勢として覚えて、徐々に自分のボクシングスタイルを探しつつ、体を鍛えながら変えていくことが大切です。
【基本の動作】キックボクシングのパンチの種類
ジャブ
パンチの基本となるジャブは攻撃を目的とするのではなく、相手へ牽制するための攻撃です。
大きな威力を出すよりも、素早く繰り出して当てることが重要となります。
小さなダメージを与えながら相手との間合いを詰めて、別の攻撃へと繋げるパンチです。
ストレート
ストレートはダメージを与えるパンチの中で使用頻度が多い、まっすぐと手を伸ばす攻撃のひとつ。
ジャブはいかに素早く出すかが重要ですが、ストレートはいかに攻撃力を高めるかがポイントです。
フック
ストレートとは異なり、半円を描くように横から与えるパンチです。
パンチとしての威力はストレートよりも弱いですが、揺さぶることで内側からダメージを与えられます。
顔への攻撃であれば脳を揺らし、脇腹であれば肝臓へ攻撃するのが特徴です。
アッパー
アッパーは下から上へ突くように繰り出すパンチです。
顎にうまくヒットできれば、脳を揺らすことで直接的なダメージではなくとも戦力が有利になります。
しかし、基本的に当てる場所は顎のみとピンポイントなので、難易度は高いです。
【基本の動作】キックボクシングのキックの種類
ローキック
ローキックはパンチでいうジャブのように、キックの基本となる攻撃のひとつです。
足技の中でももっとも低い位置で行うキックであり、相手の足先を狙うため、攻撃する側も素早く足先のみを動かすことが求められます。
ミドルキック
足よりも高い位置に繰り出すのがミドルキックで、基本的に相手の胴体を狙います。
パンチでいうストレートのように、相手への攻撃として重要な足技です。
バランスを崩しやすいため、トレーニングをしているときも体幹が鍛えられます。
ハイキック
胴体よりも上の位置へ攻撃するため、当てることが最も難しい反面、ダメージも大きい足技です。
高い位置へのキックは斜めに踏み込む必要があり、腰や肩の回転も必要なため、体の柔軟性が求められます。
前蹴り
キックボクシングの前蹴りは、かかとや足の裏全体を使う足技です。
足の力でダメージを与えるのではなく、腰の力が重要になってきます。
そのため、前蹴りの威力を高めるための練習は腰のシェイプアップにつながるのです。
脚蹴り
他にも脚蹴りには膝蹴りなどがあります。
近づいて大きなダメージを与える足技で、高く膝を上げるには軸足がしっかり伸びることが大切です。
膝蹴りを鍛えることで、お尻や太ももの筋肉トレーニングにつながります。
ジャブは奥が深い!
大きなダメージを与えるパンチではないジャブですが、キックボクシングではとても重要な攻撃となります。
リードとも呼ばれ、次の行動によって同じジャブでも目的が異なるのが特徴です。
相手との距離や周りを掴むためにも、ジャブは使われます。
相手との距離が15cm程度離れてしまっているだけでも、パンチの威力は大きく下がってしまうのです。
ジャブを放った腕が伸びきっているぐらいの距離でストレートを打つとダメージが大きくなります。
ジャブで距離を確認してから威力を高いストレートへつなげれば、大きな威力を活かせます。
ミドルキックも威力を活かせる距離でもあるので、パンチだけではなく足技につなぐためにも重要です。
ダメージを与える際にもジャブは重要ですが小さな威力のため、単体で勝ちにつながることはほとんどありません。
しかし、弱い部分を探る際にも役立ちますし、顎にうまく当てれば相手が少しフラッとしたりすることもあるため、隙を作れます。
ジャブを当ててボディへの攻撃が苦手だと分かったら、ボディへの攻めを増やしてガードさせるように仕向けることが可能です。
そして、ボディをガードしているときに顔面を狙うといった使い方があります。
他にも相手がガードした際の隙を狙うといった使い方もあり、たくさんジャブを打ってガードした部分とは別の場所へ攻撃を放つ、ジャブを打つタイミングをずらして相手を惑わすなどです。
キックボクシングでは速度や威力など、さまざまなジャブを使い分けることで有利になります。
上手くボディにパンチを打ちたい!
ボディにパンチを打つ際には、腰をしっかり落とすことが大切です。
慣れていないときには腰を曲げて自分の体全体を下げてしまう、腕の力だけでパンチの威力を高めようとすることがありますが、このとき腰ではなく膝を曲げます。
足に大きく体重がかかるため、支えられる筋肉と体幹を鍛えなければいけません。
強いパンチを繰り出せるように練習をすれば、自然と足が鍛えられてシェイプアップすることも可能です。
実践で強くなるためのトレーニングが体全体のダイエットにつながります。
やっぱりキックボクシングはキックが主役!
キックボクシングの醍醐味はパンチだけではなく、キックも技として認められていることです。
パンチの使い方を基本として覚えることで、足技の使い方も自然とわかってくるでしょう。
前蹴りはジャブのように相手との距離を測ったり、隙をつくったりする、相手の足蹴りをカットして防ぐなどの目的があります。
素早く繰り出して戻せるように練習しておくことが大切です。
蹴りで技をつなぐ際には、ミドルキックが基本となります。
特にローキックハイキックなどと同じ動作で繰り出せるように練習すると、相手を翻弄しやすいです。
ハイキックは大きな威力を与える技ですが、簡単に打てるものではありません。
しっかりと練習をしなければ強いハイキックを打つことはできませんが体の可動域が広がるため、シェイプアップ効果も大きいです。
キックボクシングでもパンチを中心に繰り出すボクシングスタイルを選ぶこともできますが、キックも多彩に扱えるように練習すれば、それだけ使う体の筋肉も多くなります。
痩せることを目的としてキックボクシングを始めた方は、キックの練習もしっかりおこなうのがおすすめです。
楽しみながらマスターしよう!
キックボクシングを上達させるためには、各技がどんな目的をもっているのかと、得意な技に合わせたボクシングスタイルがあるのを知っておくことです。
また、なにより楽しみながらマスターすることがおすすめなので、なかなかうまくいかない方、体が痛くなるという方はボクシングスタイルが間違っていないか一度確認してみてくださいね。